パンクロック生誕30年に思う

今日昼間セックス・ピストルズのアルバム「勝手にしやがれ」をiTunesに読み込みながら、
なんだかんだ言ってもパンクはピストルズに尽きるなと改めて思い、
それをそのままLast.fmの日記に書いたら、早速コメントが来た。内容は、
ピストルズがパンクの創始者とか言われるけど、真の元祖はラモーンズなんだよ。
ラモーンズの長年にわたる活動が及ぼした影響は非常に大きいんだよ。
キミももうちょっと勉強してから書きたまえ。」みたいな批判だった。
どこの国にもこういう人いるんだなぁと思って思わず苦笑してしまったが、
僕の方もこの方以上に世界的によくいるタイプのはずなので、まあ、おあいこである。
ラモーンズの方が音楽的にピストルズよりもマトモなのは明らかなれど、
ラモーンズにはピストルズほど爆発感というか、ハチャメチャ感がなかったため、
そのぶんパンク感が薄かった面があったと思う。活動歴も長すぎたし。
ブームを作ってパッと散る。ピストルズシド・ヴィシャスが体現していたそんな潔さに
パンクらしさを感じてしまうのは、日本人特有の偏見ということになるのだろうか。
と、そんな事を考えながら、本屋で「CROSSBEAT」のパンク30周年特集記事を
立ち読みしたら、案の定、面白くなかった。30周年と言っても、ムーブメントとして
盛り上がっていたのは最初の2年間だけだから、そもそも企画に無理がある。
当初一過性のブームと見なされていたパンクが30年の歴史を持ったことは
それなりに意味があるが、パンクがそれだけの長寿を保てた理由の一つは、
ミュージシャンもリスナーもパンクの歴史などというものに大方無関心だったからだろう。
そういう非歴史性を僕自身はもはや手放しで賛美できなくなってしまったが、
今後もパンクにはずっと、基本的にロック史を無視して発展していって欲しいと思う。
「20世紀で成功したバンドは俺たちだけ。」と、ジョン・ライドンは言った。
歴史無視がパンクの本質なら、むしろ21世紀こそがパンクの時代となるはずである。


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