dream live tour 2006@表参道FAB

3時15分に表参道駅到着。まずコインロッカーを探した。運良く一つだけ空いていたので、コート、かばん、そして、ちょっと迷った末、セーターも入れた。シャツだけで歩く表参道はさすがに寒い。交差点の手前で子連れdreamファンさんを見つけたので声をかけ、しばらく一緒に歩いた。子連れさんは東京3枚申し込んで全部ハズレだったそう。子連れさんと流れ解散になったあと、FABの前でにょき先生およびgamiさんと合流。初対面の挨拶のあと、すぐに代金をいただく。話してみると、さすが森プロさんの友人だけあって2人とも感じのいい青年だった。入場はごくスムース。僕とにょき先生は整理番号2番だったので、ゆっくり歩いて最前エリアに進み、僕がセンター左1ズレ、にょきさんが右1ズレ、gamiさんがセンターをとった。その後チャクチャクと入場が進み、最前エリアも混雑してきたが、そんなヒドイ混雑でもない。カタヤキ先生が現れて、「あ、もとすきさんだ」とか「堀越の卒業式どうでしたか?」とか、身の縮むようなことを言っていたが、気にしない気にしない(笑) なんだかんだ言っても開演前は僕でもなんとかなりそうな雰囲気だった。それが大間違いだった。
ほぼ定時にライブ開始。1曲めのGet Overが始まるやいなや、後ろからグワーッと押された。すごい圧力。手をステージの縁の部分につけて体をささえるのがやっと。でもまあ、即死というわけでもなかったので、体勢は苦しいながら、ステージに意識を集めた。
最前で見るdreamのライブは、端的に言って、別世界である。なんたってドリメンとの距離はたぶん1メートルもない。手を伸ばせば足に触れられるぐらいの超至近距離なのである。
これはホントにすごかった! 間近で見るドリメンの顔はみんな輝いていてかわいいし、歌はマイクを通してではなくじかに聴こえてくるし、ダンスはすごい迫力。こ、これがdream worldなのか! という感激で目もくらむような状態だった。おかげで紳士の血圧は急上昇。押されながらもノリノリで頑張った。
しかし、その元気も長くは続かなかった。5曲目の「My will」の途中で突然、急性心筋梗塞というか、心臓がキューッと締め付けられるような激痛を感じた。呼吸ができないような感じになり、半分パニック状態。とりあえず外へ出たいと思って左隣の人に「ちょっとあけて・・」と頼んだら空けてくれたが、僕が外へ出ようとしていることに気付くと、薄く笑いながら「無理!」と言った。
実際、無理であった。左の壁際の通路が空いてるというのは幻想で、現実にはびっしりお客さんが入っており、かき分けて外へ出れるような状態ではなかったのだ。まさにデッドロック状態。それを知ってますますパニックが昂じる紳士。ええい、こうなったらもう最後の手段だぁ!という感じで、柵の横棒の間に身を滑り込ませて、ステージと柵の間にあるカメラマン用の狭いスペースに文字通り転がり込んだ。すぐに左端へ移動し、ベルトをはずし、ズボンのボタンをはずし、シャツを脱いで下着を脱いだ。さすがに裸でいるわけにも行かないのですぐにシャツは着たが、これで快復しなかったらどうなるのだろうと思うと不安でたまらなかった。
幸いなことに、そのスペースは換気装置の通風孔が近くにあったようで、涼しい空気が流れてきていた。それにも助けられ、なんとか正気を取り戻した紳士。ホッとしてズボンとベルトを戻し、その場で膝立ちになってステージを見ることにした。言うまでもないが、そんな所からそんな体勢でステージを見るのは生まれて初めてである。でも、これが意外に良かった。なんたって、ドリメンとの距離は最前以上に近いわけで、臨場感はこの上ない。しかも他のお客さんとの身体接触が全くないので、ある意味、特等席。動きと視界はある程度制限されるものの、今日はdreamのパフォーマンス自体が非常に良かったため、見てるだけ/聴いてるだけでも十分楽しめる。ていうか、本当に楽しかった! 
dreamから見ると僕は、右サイドのモニターの上部からにょきっと顔だけ出して見ているように見えただろう。佳奈ちゃん、静香ちゃん、彩ちゃん、麻未ちゃん、紗也加ちゃんの5人は、確実に僕がそこにいることを視認した。つまり僕と目が合った。さすがに佳奈ちゃんだけは一瞬「ん、なんでそこに客がいるん?」という目をしたが、それもほんの一瞬だけで、すぐ客席に目を移したし、あとの4人はとがめる気配など全くなく、普通に笑顔を返してくれた。要は、ライブ自体が客席もステージも一体化して非常に盛り上がっていたため、妙なトコで見てる客が1人いようがそんなことは全くどうでもいいじゃーん!というホットでポジティブな空気が最前周辺に充満していたのである。それが僕にはとてもとても有り難かった。
後半の「Our Time」あたりからは僕も完全にノリノリで、いつもと同じフリ真似と合唱のダブル反応。アンコール1曲めの「Movin' on」も、PPPHこそ出来なかったものの、サビの振りマネや裏サビのケチャは普通に出来て、いつもどおりに楽しかった。次のTransitはじっくり聴けて、深みのあるボーカルと、あと、曲の雰囲気にとてもよく合っているメンバーたちの表情がとてもカッコ良かった。そのあと彩ちゃんがMCで「次の曲で・・」と言うと客が「えええ!?」と返したが、先走りすぎてイマイチ盛り上がらなかった。それを見て僕が「もう1回!」と言ったら彩ちゃんが採用してくれてもう1回「えええ!?」をやり、今度はまあまあ盛り上がった。そんなことも楽しかった。
最後は「I love dream world」。非常に内容の濃い、素晴らしいライブが出来たことで、メンバー全員、達成感や満足感でいっぱいの表情だった。「幸せ」ってたぶんこういう事を言うんだろうなあ。もちろん僕も幸福感いっぱいで、手を振り、「イエス!」をやり、みんなと一緒に「らぁーら、らららぁーら、らららぁ、ららららぁぁ♪」と歌った。それはほとんど至福の時だったかも知れない。
全員ハケたあと、彩ちゃんが追い出しのアナウンス。噛み噛みでお客さんの笑いを誘っていたが、僕のいた所からは舞台袖でマイク片手に原稿を読んでいる彩ちゃんが見えた。反射的に手を振る紳士。レスはなかったが、そんなことさえも楽しかった。

明かりがついて、また柵をくぐって本来のスタンディングエリアに戻ると、がっちりした体つきの若いお客さんの1人が僕に向かって、「最前から消えたと思ったらそんなところにいたのか。もっと頑張らなきゃダメだよ」と言ってきた。唐突に言われたのでちょっと驚いたが、彼の言いたいことはよくわかったので、「はい。もっと頑張ります。ていうかもう最前はいいです(^_^;」と答えた。はからずも漏れた紳士の本音であった。


今日の結論:dreamのライブは最高である。しかし、体力のないやつは最前に行ってはならない。

我ながら身に沁みる結論です、はい。(笑)