Ski卒業公演雑感

パッと騒いで盛り上がって、終わったらサッと忘れる。
そんなコンサートもいいけれど、終わった後もいろいろなことを
考えさせてくれる、良い意味でアトを引くコンサートも、
たまにはいいものだ。昨日の制服向上委員会の卒業公演は
まさにそういう、後味の良いコンサートだった。
実のところ、前味も良かった。午後3時ちょっと過ぎに
駒場東大前の駅の改札を出たとたん、なんとも言えない懐かしさを感じた。
前回来たのがいつだったかを思い出すことさえ困難だったにもかかわらず、
エミナースへの一本道を、まるでかよい慣れた通学路を歩くような気持ちで
落ち着いて、しかも楽しさへの期待と共に、軽やかに歩くことができた。
「これがつまり古巣ということなんだろうな」と思って、ちょっと嬉しかった。


コンサートの最中は、「Ski大感謝祭」と揶揄したくなるくらい、
大量の感謝の言葉がメンバーの口から発せられていた。
それらのいくつかは真情の吐露であり、いくつかは形式的な謝辞であったろう。
「ファンのみなさん」も何度か感謝の言葉を捧げられていたが、これを
自分に向けられた言葉と感じるには、僕の意識は傍観者的であり過ぎた。
印象に残っている言葉は、むしろ他愛のない話の端切れだった。
本田博子ちゃんをはじめOG5人で同窓会トークを繰り広げている中で、
僕の聞き間違いでなければ、博子ちゃんは次のように言った。

26歳にもなるとアイドルだけではやって行けないので…

その言い方はまるで、「生活の為にOLやったりミス・フェアレディZやったり
してたけど、私の本職はあくまでもアイドルなのよ」と言っているように聞こえた。
今の本田博子がそんなことを言うわけがないと思いつつ、ひょっとしたら、
博子ちゃんなら、そういうふうに考えていてもおかしくはないかもなぁ…と、
僕は考えていた。本田博子こそはSkiが生んだ「永遠のアイドル」なのかも知れない。


コンサート中、面白い企画がひとつあった。それは、Skiの歴代メンバーの中から
ベストメンバー7人を選ぶという企画だった。これは実際にファンクラブ会員を対象に
行なわれたアンケートらしく、結果も公演中に発表された。その公式ベスト7は、
片平妃奈子が入ってることだけを見ても分かるように、単なるインチキであった。
とはいえ、自分にとってのベストセブンを考えさせてくれる程度の妙味はあった。
いきなりベストセブンと言われても難しいので、部門別にベスト3を考えてみる。
まずボーカル部門は、
1位 吉成圭子
2位 松田ゆかり
3位 篠原智子
ということになる。2位と3位は逆でもいいが、1位は吉成さんしか考えられない。
続いてダンス部門は、
1位 斉藤美緒子
2位 菊地彩子
3位 河野怜奈
というところだろう。踊ってる時の表情だけなら怜奈が1位である。
キャラクター部門は、激戦区ではあるが、
1位 本田博子
2位 伊藤嘉代子
3位 吉田梢
といったところだろうか。「聡明な天然」キャラが僕の好みであるようだ。
最後にルックス部門は、
1位 宮田直美
2位 松尾真冬
3位 宇田川綾子
ということになる。この3人は同率首位とすべきかも知れない。
以上の結果を踏まえた、もとすき選出のSkiベストセブンは次の通り。
吉成圭子
本田博子
宮田直美
松尾真冬
望月菜々
宇田川綾子
・古賀美雪
・・・我ながら老壮青のバランスのとれた完璧なセレクションである。納得。


このくらいメンバーがかわいくて、このくらい楽曲が良くて、
このくらいラクにライブが観れるなら、またSkiに戻ってもいいかもなぁ。
観ながらも観終えたあとも、そんなことを漠然と思わぬでもなかった。
しかし実際には、自分がSkiファンに戻ることはないだろう。
今のSkiに自分が心地よく感じるものがいくつかあるのは確かだが、
自分が一番好きなものが今のSkiにはないこともまた同様に確かである。
僕の一番好きなもの、それは、可愛さとセクシーさと野性味を兼ね備えた、
歌もダンスも上手くて、しかも言葉遣いに面白みのある女の子である。
つまり、ひと言で言えば、HINOIチーム樋井明日香ちゃんである。
そして、たぶんまだやはり、dreamの長谷部優ちゃんである。
そして、もちろん、BON-BON BLANCOサントス・アンナちゃんである。
そして、誰が忘れるだろうか、GAM藤本美貴ちゃんである。


以上、我ながら予定調和的な結論になってしまったが、決して最初から
結末を決めて書き始めたわけではない。考えながら書いているうちに、
紳士の心は自ずと上記の結論へと導かれたのである。納得。深く、納得。