Coccoの「ザンサイアン」を聴いて

今日はCoccoのニューアルバム「ザンサイアン」の発売日。
予約していたタワレコ新宿店で無事に買うことができた。
帰りに下りエスカレーターからふと斜め右上を見たら、
予約しに来たとき貼ってあったAKBの「スカート、ひらり」のポスターが
アンジェラ・アキのポスターに貼り替えられていた。かすかに寂しかった。
昨日と今日だけらしいが、2階の入口のところで抽選会をやっていた。
アルバム購入の抽選会なんて、B'zとかサザンとか浜崎あゆみとかを好きな人が
参加する儀式で、自分とは無縁のものと思っていたが、Coccoで初参加となった。
箱に手を突っ込んで中に入ってるボールを一つ選ぶと、赤いボールだった。
これは特製メモパッドの当選を意味する。メモパッドは好きなのでちょっと嬉しかった。
ホントは1等のトートバッグの方がもっと欲しかったけど。
開封してまず、DVDの方を見てみた。「陽の照りながら雨の降る」のPVは、
このあいだ「嫌われ松子の一生」を観に行ったときに、新宿コマ劇場の壁を使った
なんとかビジョンでやってたのを見たことがあった。その時はまあまあ良いPVと
思ったが、今日も同じ感想だった。沖縄の太陽光線の美しさはよく捉えている。
監督が是枝裕和らしいので、こういう優等生的な作品になるのもけだし当然か。
ちなみに是枝裕和の出身高校は都立武蔵高校。私の母親の後輩ということになる。
もう1本はCoccoが企画・原案・振付・プロデュースを担当したというダンスもの。
僕はこっちに期待していたのだが、ダンスものといっても、なんというか、
「キャバレー」のライザ・ミネリみたいな感じ。Cocco自身は非常に楽しそうだし、
Coccoのスタイルの良さやダンスの素養を再認識できる良さはあるものの、
単純にPVとしてだけ見れば、正直「なんじゃこりゃ?」感は否めないシロモノ。
最後におまけとしてこのPVのメイキング映像が小さく流れ、そのなかで、
黒縁メガネをかけたCoccoが見れる。ダンスを指導してるトコなんかはちょっと笑えた。
で、続いて本編のアルバムを聴いたわけですが、こちらは残念ながら期待ハズレだった。
曲調のバラエティがCocco史上最も豊かなのは間違いないが、そのために
アルバム全体が散漫になってしまい、いわゆる山場がない。さらに悪いことに、
一曲一曲のクオリティもお世辞にも高いとは言えない。リアル叫び入りのエロソングとか、
珠玉のバラードと見せかけて微妙にトゲのある曲とか、Coccoらしさは十分感じられるのだが、
焦点がボヤけ気味、というか完全にボケているため、新たなCocco的世界観の顕示と言うよりも、
おなじみのCocco的個性の総花的ショーケースになってしまっているのが痛い。
収録曲12曲の中で一番良い曲が「陽の照りながら雨が降る」なのは許すとしても、
セカンドベストが「音速パンチ」ではどうにも擁護のしようがない。これは駄作である。
武道館ライブのプレリザーブ落選は残念だったが、結果的にはハズレて良かった。
アルバムがこれでは、いくらCoccoのライブでも僕は退屈してしまうだろうから。
ということで、新生Coccoともとすきとの短い蜜月は今日で終わり。
明日は予定通りフルカワミキのシングルを買ってこよう。
ていうか、今日一緒に買ってきちゃえば良かったな。

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