「パッチギ!」を観て

今日は東京も雪。書泉でdreamのトレカ発売記念イベントがあり、もともと行くつもりはなかったが、こういう日に行くと良い思い出になるから行っとくか、と考え直した。が、結局は行かない。紳士だ(笑)
代わりにTSUTAYAで借りた「パッチギ!」を観た。劇場公開時は見逃し、いつかDVDで観ればいいやと思っていたところ、この度キネ旬1位に選ばれたので早めに観ておきたくなった。もちろん新人女優賞総ナメの沢尻エリカの映画での演技を見てみたい気持ちもありました。
全編通じてテンポが良く、とりあえず2時間飽きずに楽しく見れる良い映画ではあった。しかし感動は全くなかった。役者はみんなうまいし(特に朝鮮高校の番長役の高岡蒼佑は非常に良かった。さすが宮崎あおいちゃんの彼氏だけのことはある)、脚本や演出も一応よく出来てる感じなんだけど、なんというか、「教科書通りに一生懸命作りました。先生褒めてください!」みたいなダサイ優等生臭が漂ってるせいで、感動が湧かないのである。何よりダメなのは、作りが古いこと。観ていて何の新しさも感じられないのだ。オダギリジョーが演じるヒッピー青年にしても、役としては面白いし、最後の絵には大笑いさせてもらったけど、「アカルイミライ」の不適応青年のような現代的なカッコ良さは全く感じられない。「古い映画というものはない」とゴダールが言っていると蓮實重彦は言っていたが、これは最新作でありながらすでに古いという点で、私には単にウェルメイドな青春ドラマとしてしか面白くない映画であった。残念。
沢尻エリカは、確かにいい演技を見せていたものの、そう飛び抜けていいとも思えなかった。新人賞総ナメは納得いかないが、この作品以外にも色々出てるようなので、一作観ただけでは何とも言えない感じ。ただ、これはアイドル時代にも感じてた事だけど、顔があまり私の好みではないので、この先も特にハマるようなことはないだろう。よかったよかった(笑)


こういう古臭い青春映画を観ると、「キッズ・リターン」や「アカルイミライ」は本当に素晴らしかったなと改めて思う。と同時に、青春映画を現代的な感覚で創るのは意外に難しいのかもなと思ったりもする。僕が初めて「これは新しい!」と感じた青春映画は「バタアシ金魚」だった。観たのはもう20年ぐらい前のことですが、激しい感動で興奮し、飯田橋の映画館から新宿駅まで興奮したままあれこれ考えながら歩いちゃった記憶がある。そんな最高レベルの感動や興奮を呼び起こしてくれた青春映画がこの十年で上記2作だけというのはなんとも寂しい限りである。観る本数が少ないこちらも悪いのだが、できれば一年に1本ぐらいのペースで、青春の素晴らしさを再認識させてくれる、そして青春を生きる若者たちへの羨望を掻き立ててくれる映画に出会いたいと思う。
ということで、明日は「天使」でも観に行こっかな♪
・・・とか言いながら結局秋葉へ行ってしまう予感も(笑)