PodCast、日本公式デビュー

アップルから新しいiPodが出た。今回は、iTunesが4.9にバージョンアップ、
PodCastに対応したのが売りになっているようだ。PodCastは私も、
最初hot wiredで読んでその存在を知った時から面白そうだと思っていたので、
今後日本でどの程度拡がっていくか興味があります。また個人的にも、
アイドル関係のラジオ番組が好きな時間に聞けるようにでもなれば、
導入してもいいかなと考えております。アップルのサイトには、
iTunesPodcasting。全く新しいラジオの誕生です。」という
キャッチコピーが見えていますが、これは私が昨晩作った(訳した)もの。
夕方5時半ごろ代理店のTさんから電話でオファーがあり、即断で引き受ける。
その後、代理店のKさんとアップルのSさんから簡単なブリーフィング。
TさんからPDFで送られてきた秘密保持誓約書にサインしてFAXしたのが6時。
締切が7時だから作業時間は1時間しかない。ちなみに今回のコードネームは
「Tower & Prince」。一瞬「?」だったが、iTunesPodCastの頭文字と気付いた。
原文は「Introducing iTunes with Podcasting. Radio reborn.」で、
アップルさんからは「直訳に近いものからインパクトのある意訳まで、
幅を広めにとって欲しい」と指示された。前回の「Tiger unleashed.」の時は
直訳系は結局ダメで超意訳の「Tiger、ついに封印は解かれる。」が採用された。
なので自分としても連続ホームラン狙いみたいな野心があったため、
アップル好みの「全く新しい」系の文案とともに、
iTunesで楽しむPodcasting。それはラジオの革命です。」
iTunesPodcasting。ラジオの歴史が変わります。」
PodcastingできるiTunes。もうラジオは要りません。」
等々、アブナイものも含めて12本を7時ちょい過ぎに提出した。
小1時間後、Sさんからフィードバック。「見させていただきましたが、
ピンとくるものはありませんでした。」と言われた。ガックシ。
「ただ、方向性は出していただいたもので良いと思いますので、この中から
ピックアップする形で作らせていただきたい」ということに。
問題点はまずiTunesPodcastingの引っかけ方。具体的にはwithの訳し方だが、
僕はこれはコードネームの事もあり、with=andという理解で良いのではと提案。
Sさんも同意見でここはすんなりiTunesPodcastingに決まる。難しいのは後半、
Podcastingとラジオの関係の表現だった。PodCastの歴史的意義などについてかなり揉めたが
結局は「革命」というほど画期的な技術でもないという認識がアップル内部で強く、
かといって単なる生まれ変わりや再生では弱いということで、中をとって、
「全く新しいラジオの誕生」でいくことになった。妥当なところでしょう。
「ピンときたものはなかった」と言われた時点で勝ちはなくなったが、
一応こちらの出したワードの組み合わせで決まったから負けでもない。
ま、勝ち点1の引き分けというところか。


全くの成り行きで始まったコピーライティングの仕事ではあるが、長谷部優さんだって
成り行きで始まった司会の仕事を頑張ってそれなりに良い結果を出しているのだから、
私も、依頼のあるうちは、慣れぬコピー書きに頑張っていこうと思います。


ところで、今回はちゃんとギャラ発生するんですよね、Tさん?(笑)