MacBook、発売。

アップルから新しいノートブックコンピューターMacBookが発売された。
発売されることは先週代理店の人から聞いて知っていたが、デザインまでは
聞いてなかったので、今日サイトで見たときは結構新鮮な感じがした。
値段がiBookよりちょっと高くなっちゃったのは残念だけど、そのぶん質感や、
あとキータッチも良くなってるらしいので、早めに触りに行きたいところなり。
新製品が出ると、コピーのローカリゼーション(和訳)という仕事が発生する。
アップルのコピーは、基本的にはすべてUSアップルが作った英文コピーを
日本支社が翻訳する形で作られている。(日本だけでなく全世界同じらしい)
アップルの広報や代理店のスタッフで訳せる場合も多いが、原文が異常に凝っていたり、
あるいは極度に洗練されていたりして、日本語に置き換えるのが難しいときは、
うちの会社にローカリの依頼が来る。今回はキャッチコピーはシンプルだったので、
ボディコピーだけの依頼であった。そのボディコピーも特に凝った文章ではなく、
午前10時に発注のメールが来て昼ちょっと前に全部ローカリが終わってしまった。
苦労せずに済んだのはありがたかったが、正直物足りない気持ちもあった。
ローカリの準備としてUSサイトと日本のサイトを見比べる作業が必須なのだが、
これをやるとwebのローカリ担当者の苦労がしのばれて、ほろりとさせられる。
USアップルのサイトは、今回もまたイカしたコピーのオンパレードである。
たぶん世界で最も才能のあるコピーライターが最も高いギャラを貰って
書いてるんだろうから、カッコイイのは当り前なのだが、それにしてもカッコイイ。

What do you get when you put up to 2GHz of pure Intel Core Duo power, an iSight camera, Front Row, iLife ’06, and a 13-inch glossy widescreen display into a sleek case? More than you thought possible for less than you thought possible. Meet MacBook, starting at $1099.

More than you thought possible for less than you thought possible.
・・・たまらん_| ̄|○ ちなみにこの部分は、日本のサイトでは、

想像を超える充実した機能を、驚くほど手頃な価格で実現したマシン。

と訳されている。訳した人は、さぞかし無念であったろう。
原文のレトリックを尊重して直訳すれば、
「想像しうる以上の機能を想像できない低価格で。」ぐらいだろうが、
原文のカッコ良さを生かそうとすればするほど日本語としては読みにくくなるという
アップルのコピーのローカリにおいては極めてありふれた罠がここにも仕掛けられているわけで、
罠を回避し、分かりやすさを優先して手堅く訳さざるを得なかった翻訳者には同情を禁じえない。
僕のローカリ屋としてのキャリアはまだ8年ほどでしかないが、このアップルのコピーのローカリが、
我がローカリ人生のピークとなることはほぼ間違いないだろう。
いつまで依頼が来るかわからないが、仕事が来るうちは全力で取り組みたい。

安倍なつみ「染みわたる想い」を聴いて

昨日やっとレンタルできたので聴けました。もりちゃんが絶賛してただけあって、
確かに良い出来である。キラーチューンこそないものの、その代わり駄曲もなく、
20台半ばの女の人の心情を、恋を中心に丁寧に描いていて好感がもてた。
こちらの感性が鈍くなっているため、一昨年「一人ぼっち」を聴いたときのような
深い感動は味わえなかったが、なっちが良い曲を歌えていることを確認できただけでも
何となく嬉しい。こういうアルバムが出ていれば、シブく聴かせる曲中心の内容でも、
それなりにコンサートは盛り上がるはず。よかったよかった。やっぱりなっちは天使だ。